今年の干支(えと)は…「みずのとう」
「年頭のあいさつ」や「正月のテレビ番組」でよく聞くこの言葉。「みずのとう」だから景気があがるとか、飛躍するとか言われている。
そもそも「みずのとう」って何なの?
今回はそんな疑問にお答えします。
「卯」って、うさぎ年のこととですか?
「みずのとう」を漢字で書くと「癸卯」 癸(みずのと)と卯(う)がくっついたものです。
ここでの「卯」は、子・丑・寅・卯・辰・巳…でお馴染みの卯ですが、「卯」は動物のウサギではなくて、「うさぎ年」を「干支」の名称で表したものです。
でも普段使っている「今年の干支はうさぎだね」というときの「干支」は正式な「干支」ではありません。正式な「干支」は、十干(じっかん)というものと十二支(じゅうにし)というものが組合わされたものなのです。
「十干」とは?
実はうさぎ年の「卯」は「十二支」のひとつ、ではもう片方の「十干」は?
それが「癸」(みずのと)。「癸」と「十二支」の「卯」が一緒になって初めて「干支」になるのです。
この「十干」は全部で10種類、「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の順に毎年変わります。「十二支」は12種類ですから数が違います。
この「甲」とか「乙」って、どこかで見た覚えが…
契約書の最初に「○○太郎(以下甲という)と○○次郎(以下乙という)とは…」という文章で見たことがある人も多いのではないでしょうか。ここの甲とか乙は、この「十干」からきていると言われています。
ただ契約書では「甲」を「こう」と読みますが、干支では「きのえ」と読みます。
そんなの読めないよ…
ご安心を!普通は読めませんので。
でもこの漢字をどうして「きのえ」と読むのでしょうか。
甲を「きのえ」癸を「みずのと」と読むわけは?
まず万物を構成しているのは「木」「火」「土」「金」「水」であるという考えがあります。これは五行説と言われるものですが、そこにあらゆる物は「陰」と「陽」に分けられるという考え方がくっつきました。
そして陽を兄、陰を弟として「木」「火」「土」「金」「水」を分けたのです。「木」を兄と弟に、「火」「土」「金」「水」も兄と弟に分けていくので、全部で10通り。それが「十干」です。
そしてこの「十干」に甲・乙…という漢字を当てたのですが、「甲」はあくまで当て字であって「木の兄」のこと。ここで兄は「え」、弟は「と」と読みます。だから「木の兄」を「きのえ」というわけです。
「十干」はこちら
このように「干支」は、「十干」と「十二支」がくっいた「十干十二支」の「干」と「支」をとったもので、その読みは兄(え)と弟(と)からきています(本来の「十干」は「兄と弟」(えと)をいうようです)
2023年の「癸卯」はどんな年?
では、あらためて2023年の「干支」をみてみましょう。
「みずのと・う」は「水」グループの「弟」、これが「癸」で、「卯年」(うさぎ年)がくっついたもの、だから「みずの・と・う(癸卯)」です。
ところで、この「癸卯」と次に出会えるのはいつでしょう?
「十干」は10年で一巡、「十二支」は12年で一巡するため、10年後とか12年後はお互いがちょっとズレて出会えません。その後も少しずつズレていき再び出会うのは60年後、60年で元の暦に還るということから「還暦」といわれています。
また60年に一度の再会ということは、「干支」の組合せは60通り。「十干」と「十二支」のそれぞれに意味があるので、そこを掛け合わせて今年を占います。
今年でいえば「癸卯」の「癸」は「十干」の一番最後。新しい「十干」へ移ろうとする「つぼみ」みたいなものです。そして「うさぎ年の卯」はピョンピョン跳ねて成長の年。この組合せから「癸卯は飛躍に向かう年」というようになります。期待できますね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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